心理カウンセラーとして起業するには?独自サービス作成に必要な能力の棚卸しについて
今回は、心理カウンセラーとしての独自サービスの作成に必要な能力の棚卸しについて説明します。
前回、開業カウンセラーが知っておくべき悩みの選び方というブログで世の中の悩みやお金を払う価値のある悩みを説明しました。
今回は、自分の能力を詳細に棚卸しをし、現状で提供できるサービスを把握する必要があります。
ここで言う「自分の能力」とは、カウンセラーであれば各種療法、知識、経験などを指し、ある意味では「武器」と同じです。
この「武器」は再現性があるものでなければなりません。
例えば、ドラクエで例えるなら、レベル1の初期装備は皮の鎧や皮の盾、銅の剣ですが、これをカウンセラーに置き換えると、初期装備は傾聴や要約、もしくはマイクロカウンセリングで言うところの「関わり行動」や「積極的関わり技法」などが該当するでしょう。
自分の能力の棚卸しが明確でないと、何ができて、何ができないかを理解することが難しくなります。
その結果、専門外のクライアントを支援し始めてしまい、問題解決ができずに迷走し、クライアントの症状が悪化する場合もあります。
そのような事態は、大きなトラブルや看板を降ろさないといけないようなクレームにつながりかねません。
このような事態を避けるために、自分の武器や専門性を理解し、自分が支援できる範囲をしっかりと把握することが重要です。
もし、明らかに許容量を超えていたり、専門外の場合には、勇気を持って適切な専門家へリファー(紹介)することが求められます。
これらは実務に関する話なので少し脱線しましたが、まずは開業カウンセラーとして、あなたの職務能力の棚卸しを行いましょう。
例えば、私自身、キャリアカウンセラーとしての実務経験があり、その際には職務経歴書の作成を支援し、対象者の職歴を詳細に棚卸ししました。
これと同様に、自分がクライアントに対してどのような支援ができるのか、まずは書き出してみてください。
書式に特に決まりはありませんが「棚卸し」と言われても、どう書けばよいかわからないかもしれません。
そこで、以前の私の能力や武器、そして現在の能力をサンプルとして書いておきますので、参考にしてください。
形式や表現にこだわらず、まずは自由に書き出してみてくださいね。
今回も少し長くなりましたが、最後まで読んでいただければ幸いです。
この記事はこんな方におすすめです
- 起業に向けて準備中の方
- スタートアップしようとしているがサービスの作り方が分からない方
- 他の心理カウンセラーと差別化したいと考えている方
もくじ
我々の開業当初の知識と経験
2010年頃の我々の専門知識と経験は以下のものでした。
知識全般
- 来談者中心療法、ゲシュタルト療法、認知行動療法
- 自己心理学、自律訓練法
- 交流分析
職務経験
- グループホームでの面談経験
- 約100名に対する面談経験
過去の主な提供サービス
- モラハラ被害者の支援
- モラ夫との信頼関係を再構築し、妻への攻撃を減少させる
- モラ夫との信頼関係構築に必要なカウンセリング技法の指導
- モラ夫の内面と本音の理解
- モラ夫がキレる理由の理解
- モラ夫とのコミュニケーション改善
- 被害者妻のメンタルケア全般
当時はモラハラ被害者の支援に焦点を当てていました。
自己心理学を基に、自己愛性パーソナリティ障害の傾向を持つ加害者に対して、被害者に共感的傾聴の技法を教え、加害者との関わり方を変えることで、加害者に正常な自己愛を獲得させるというアプローチをとっていました。
結果として、加害者が自己の弱点を受け入れ、メンタルを安定させ、被害者へのモラハラを減らすことが目的でした。
しかし、これはざっくり言うと「被害者妻に加害者夫の母親代わりをさせ、彼を育て直す」という方法で、多くの被害者妻にとって非常に負担の大きいものでした。
その結果「そんなことはしたくない」「そこまでして仲良くなりたくない」「やりたいけれどできない」「やったほうがいいけれど無理」という声があり、現在ではこのアプローチは主に「モンスターモラ夫」への対策としてのみ活用しています。
振り返ってみれば、当時の私は心理学に依存しすぎていたことや理想を追い求め過ぎて現場の心情を見落としていました。
声を上げてくれたクライアントのおかげで知見や視点は拡がりましたが、実際のニーズに初手から寄り添えていなかったことで必要のない苦しみを与えてしまったと非常に反省しています。
現在の我々の専門知識と経験
2024年現在の我々の専門知識と経験は以下のものです。
知識全般
- 精神疾患全般、発達障害全般、パーソナリティ障害全般、依存症全般
- 社会心理学、発達心理学
- アンガーコントロール
- モラハラ・DVパーソナリティ全般
- 刑法・民法・DV防止法・ストーカー規制法などの法規
- 生活保護法
- キャリアカウンセリング、支援学全般
- 毒親・アダルトチルドレン
- 弁護士や関連機関との連携
職務経験
- 公的機関、福祉施設、企業内でのカウンセリング
- 公的機関での生活保護や生活困窮者の自立支援
- 福祉施設での精神疾患・発達障害を抱えた方の自立支援
- うつ病の方の復職支援
- 公的機関での元受刑者や薬物依存者への更生支援
- DV被害者やひとり親の相談支援
- 企業内でのパワハラ相談
- 大学生への就労支援
- 自助グループやセミナーの開催
提供しているサービス
- モラハラ加害者、被害者の体質改善
- 不登校に悩む親の子との関わりや対処法
- 夫婦関係の再構築
- 怒りの感情のコントロール法
- パートナーの気持ちを理解するためのワーク
- 離婚後のサポート、就労支援、キャリアプラン構築
- 生活保護申請手続きの支援
- 発達障害・精神疾患・依存症への対処法
- 弁護士の紹介(無料&紹介料なし)
- ストーカー対策
- モラハラのタイプ別対処法
- 心の傷やトラウマからの回復
- 毒親からの支配を断ち切る方法
- 自信を取り戻すワーク
2010年当時と比べると、知識や提供しているサービスは大幅に増えました。
当初は心理療法やカウンセリングのみを提供していましたが、クライアントが増えるに従い、様々な困難事例や思ってもいないことに直面しました。
その都度新たな知識を身につけ、対応を進化させてきました。
また、モラハラ加害者への支援を行う機関が少なかったため、私自身がカリキュラムを作成し提供しています。
さらに、離婚後の支援を行う機関も少ないため、生活保護課での勤務経験を活かして情報提供を行っています。
法律知識も当初は不足していましたが、弁護士からスムーズにことが運ぶように必要知識を学び、現在では十分な対応が可能です。
発達障害や精神疾患の知識に関しても、私自身が発達障害を抱えていることもあり、クライアントからの相談に応じて知識をアップデートしてきました。
開業してすぐのカウンセラーの能力や知識は、我々(リジェネ)の開業時の知識や能力と大差ないと思いますので、上記の様に能力の棚卸しをしてみてください。
占い師の能力や知識の事例
カウンセラーだけでなく、最近増えてきている占い師の方からの問い合わせにも触れつつ、具体的な例を挙げて説明します。
占い師の能力や技法の棚卸の事例
- タロットカード、西洋占星術
- 手相占い、四柱推命
- 数秘術、九星術
- オラクルカード
キャリアコンサルタント・就労支援員の能力や知識の事例
キャリアコンサルタントの主な職場といえば、ハローワークや役所などの公的機関、大学、企業内などが挙げられます。
これらの場所で提供される代表的な支援内容は、以下の通りです。
キャリアコンサルタント・就労支援員の能力や知識の事例
- クライアントの主訴を理解する
- 自己理解を深める(自己概念、仕事観、興味、価値観の理解)
- 自己の能力の棚卸
- 職業や職務内容、必要とされる能力の情報収集による相手理解の深化
- 意思決定や方向性の設定、目標の設定
- 職務経歴書の添削
- 職場定着の支援
- 経験代謝(経験を振り返り、学びに変えるプロセス)
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
いかがでしたか?
今回は、独自サービスにおける自身の能力や知識の棚卸について、私たちの実例を交えて説明させていただきました。
あなたの独自サービス作りの参考になれば幸いです。
今回の棚卸の内容を基に、次回は独自サービスの作り方について説明しますので、ぜひお読みくださいね。
もし少しでも疑問を感じたら、まずは私たちにご相談ください。
あなたのビジネスが一日でも早く軌道に乗るために、私たちリジェネはサポートさせていただきます。
まずは、些細なことでも結構ですので一人で抱え込まずに気軽にご相談してくださいね。
現在、LINE登録をして頂くと初回特典として、無料相談を1回(50分)プレゼントしておりますので、まずはお友達登録からお願い致します。お待ちしております。
スタートアップコースはコチラ
info.reflec.ota@gmail.com