特定商取引法に基づく表記の書き方|カウンセラー・個人事業主向け
今回は、カウンセラーが知っておきたい「特定商取引法に基づく表記」の書き方について説明していきます。
結論から言うと、ネットで申込みを受けるなら、個人事業主でも表記が必要です。
書く項目は決まっているので、順番に書いていけば、難しくありません。
開業したばかりのあなたも、こんな不安を持っていませんか。
- うちは個人でやっているから、関係ないのでは?
- カウンセリングも、対象になるの?
- 住所や電話番号は、必ず載せないといけないの?
ですが、表記がないまま運営していると、行政から指導を受けるおそれがあります。
また、お客様とのトラブルのときにも、表記があるかどうかで、話が大きく変わります。
そこで今回は、次の3点について説明します。
- 表記に書く項目と、項目ごとの書き方
- 住所と電話番号を載せたくないときの考え方
- 返品とキャンセルの条件の決め方
ただし、この記事は、一般的な内容をまとめたものです。
私は弁護士ではないため、個別の判断はできません。
最終的な判断は、消費者庁の「特定商取引法ガイド」か、専門家にご確認ください。
もくじ
- 特定商取引法に基づく表記が必要になる場面
- 表記に書く項目
- 項目ごとの書き方
- 住所と電話番号を載せたくないとき
- 申込みの最終確認画面にも表示が必要
- クーリング・オフの対象になるのか
- 表記を怠ったときのリスク
- まとめ
特定商取引法に基づく表記が必要になる場面
特定商取引法は、消費者トラブルが起きやすい取引について、事業者が守るルールを決めた法律です。
この中で、カウンセラーにいちばん関係が深いのが「通信販売」です。
なぜなら、ホームページやSNSで集客し、フォームやLINEで申込みを受ける形が、通信販売にあたるからです。
例えば、次のような場合は、通信販売にあたります。
- ホームページで、カウンセリングのメニューを紹介している
- 申込みフォームやメールで、予約を受けている
- LINEで申込みを受け、料金を請求している
また、通信販売は、商品の販売だけでなく、カウンセリングのようなサービスの提供も対象です。
法律では、サービスのことを「役務」と呼びます。
この義務は、法人だけのものではありません。
つまり、個人で開業していても、売上が少なくても、同じように表記が必要です。
表記に書く項目
書く項目は、法律(特定商取引法 第11条)で決められています。
全部で15項目ありますが、カウンセラーに関係するのは、次の項目です。
- 事業者名(個人事業主は、本名)
- 住所
- 電話番号
- サービスの料金
- 料金のほかに、お客様が負担する費用(振込手数料など)
- 支払方法と、支払の時期
- サービスを提供する時期
- 申込みの撤回や解除に関すること(キャンセルの条件)
- 申込みの期限(期間限定の講座やセミナーの場合)
また、法人の場合は、代表者名か、通信販売の責任者の名前も書きます。
また、メールで広告を送る場合は、メールアドレスも必要です。

これらは、広告に表示することが義務づけられています。
つまり、お客様が見るページに載せる必要があります。
メニューのページや、申込みフォームの近くに、リンクを貼っておきましょう。
また、リンクの名前は「特定商取引法に基づく表記」などにすると、お客様が迷いません。
項目ごとの書き方
ここからは、項目ごとの書き方を、リフレクの表記ページを例に説明します。
リフレクの表記ページは、次のページです。
事業者名と代表者名
個人事業主は、事業者名に本名を書きます。
また、屋号を使っている場合も、本名は省略しないでください。
なお、法人の場合は、代表者名か、通信販売の責任者の名前も書きます。
例えば、リフレクの表記ページでは、事業者名に屋号を書き、代表者名に本名を書いています。
つまり、この形にすれば、お客様が本名を確認できます。
事業概要と申込方法
どんなサービスを、どうやって申し込むのかを書きます。
リフレクの場合は、次のように書いています。
- 事業概要:面談による支援・相談業務、セミナー
- お申込方法:カウンセリング予約フォーム・公式LINEから
料金と支払方法
料金は、申込みを受けるサービスのページに書きます。
また、表記には、料金のほかに、お客様が負担する費用も、すべて書きます。
例えば、振込手数料です。
例えば、リフレクの表記ページでは、次のように書いています。
- お支払い方法:銀行振込(お申し込みから1週間以内)
- 商品代金以外の必要料金:振込手数料はご負担いただきます
サービスの提供時期
いつ、サービスを受けられるのかを書きます。
例えば、リフレクの場合は「面談・セミナー実施の当日」と書いています。
返品・キャンセル・中途解約
カウンセリングは、提供したあとに、返してもらうことができません。
だからこそ、キャンセルや解約の条件を、事前に決めて、書いておく必要があります。
なお、返品に関する事項は、省略が認められていません。
つまり、後述する「請求があれば出す」という方法は、使えません。
ポイントは、サービスごとに、条件を分けて書くことです。
リフレクの場合は、面談とセミナーで、次のように分けています。
- 面談:支払い前のキャンセルは無料。支払い後は、返金手数料を差し引いて返金する
- セミナー:開催の前日と当日のキャンセルは、キャンセル料が100%かかる
- 中途解約:面談の中途解約による返金は、原則としてお受けしない
条件を決めるときの注意点
ただし、書いてあれば何でも通る、というわけではありません。
なお、高額なコースを売る場合は、消費者契約法という別の法律も関わります。
「返金はお受けできません」と書いてあっても、返金が認められる場合があると、解説している弁護士のサイトもあります。
そのため、条件は、お客様に不利になりすぎないように決めてください。
また、申込みの前に、必ず説明するようにしましょう。
個人講座契約書の例
ちなみに、リフレクの個人講座契約書では、中途解約について、次のように決めています。
- お客様の都合による解約は、原則として認めない
- 特例として認める場合の、返金額の計算式を、契約書に書いておく
- 計算式は、契約金額から、実施済みの面談費用、経過月数の分、教材費、事務手数料を引く
- 無断キャンセルは、1回目は注意、2回目は書面で警告、3回目は契約終了とする
こうして、計算の根拠を契約の前に示しておくと、トラブルのときに、話が早くなります。
住所と電話番号を載せたくないとき
特に、自宅で開業している場合、住所と電話番号の公開は、大きな不安だと思います。
結論から言うと、原則として、住所と電話番号は省略できません。
ただし、個人事業主は、次の条件を満たす場合に、省略が認められています。
- お客様から請求があれば、遅れずに提供すると、広告に表示している
- 請求があったとき、実際に遅れずに提供できる
つまり「載せない」のではなく「請求があれば出す」と決めて、その準備をしておく方法です。

ここでいう「遅れずに」とは、お客様が申込みを決める前に、十分な時間の余裕をもって提供することです。
なお、ネットで申込みを受ける場合は、メールでの提供でも構わないとされています。
また、請求があったときに出す住所は、現に活動している場所である必要があります。
さらに、電話番号も、確実に連絡が取れる番号にしてください。
バーチャルオフィスと私書箱の扱い
バーチャルオフィスの住所を使いたい人もいると思います。
消費者庁のQ&Aには、バーチャルオフィスの住所を表示できる条件が、書かれています。
例えば、連絡先として使うことを、運営会社と合意していることです。
また、運営会社が、あなたと確実に連絡を取れることも必要です。
なお、私書箱は、営業の拠点ではないため、住所として認められません。
そのため、条件に合うか不安な場合は、Q&Aの原文か、専門家に確認してください。
申込みの最終確認画面にも表示が必要
ネットで申込みを受ける場合は、表記ページだけでは足りません。
2022年6月から、申込みの最後に表示する確認画面にも、主な項目の表示が義務になりました。
表示する主な項目は、次のとおりです。
- サービスの分量(面談の回数や時間など)
- 料金
- 支払の時期と方法
- サービスを提供する時期
- 申込みの撤回や解除に関すること
- 申込みの期限(期限がある場合)
そのため、予約フォームや予約システムを使っている場合は、確認画面にこれらが表示されるかを見直してください。
クーリング・オフの対象になるのか
クーリング・オフとは、契約したあとでも、一定の期間内なら、理由を問わず解約できる制度です。
通信販売には、クーリング・オフの制度はありません。
その代わりに、返品やキャンセルの条件を、広告に表示することが求められています。
ただし、法律にないクーリング・オフを、契約書で自主的に定めることはできます。
リフレクの個人講座契約書でも、自主的なクーリング・オフを定めています。
具体的には、契約日を含む8日以内の解約は、事務手数料だけを引いて返金します。
なぜなら、お客様が安心して申し込める材料になるからです。
特定継続的役務提供との違い
一方で、特定商取引法には「特定継続的役務提供」という類型があります。
これは、長く続く高額なサービスについて、特別なルールを決めたものです。
こちらはクーリング・オフの対象です。
なお、契約の書面を受け取った日から、8日以内なら、解約できます。
対象になるサービスは、次の7つだけです。
- エステティック
- 美容医療
- 語学教室
- 家庭教師
- 学習塾
- パソコン教室
- 結婚相手紹介サービス
カウンセリング、占い、コーチングは、この7つに含まれていません。

そのため、カウンセラーの契約は、原則として、特定継続的役務提供の対象外です。
とは言っても、これは「何をしてもよい」という意味ではありません。
なぜなら、お客様が不安を感じる契約は、トラブルになりやすいからです。
だからこそ、サービスの内容と料金を、丁寧に説明することが、いちばんの対策になります。
表記を怠ったときのリスク
表記をしていない場合や、内容に誤りがある場合は、行政処分や罰則の対象になることがあります。
さらに、行政処分を受けると、事業者名や処分の内容が公表されることもあります。
また、処分を受けなくても、信頼を失うことは、大きな損失です。
カウンセラーは、信頼で成り立つ仕事です。
つまり、表記ページは、お客様に、安心して申し込んでいただくための土台だと考えてください。
この記事を書いた人
経験と専門性
- 夫婦でモラハラの問題を克服した専門家
- ASD・ADHDの混合型診断済み
- モラハラ加害者としての更生を実現
- 週刊文春オンラインで連載で加害者心理と更生過程を完全公開
臨床経験(2010年〜)
カウンセラーとして幅広い支援経験
- 公的機関での生活保護・生活困窮者自立支援
- 福祉施設での精神疾患・発達障害者支援
- うつ病の方の復職支援
- 元受刑者・薬物依存者への更生支援
- ひとり親・DV被害者相談
- 企業内パワハラ相談
- 自助グループ・セミナー開催
メディア掲載実績
新聞・雑誌掲載
- 週刊文春オンライン(2024年11月 3記事連載)
- 産経新聞(2021年9月)
- 神戸新聞 まいどなニュース(2021年3月)
- 中日新聞 ねぇねぇちょっと特別編(2021年12月)
- ウレぴあ総研 ハピママ(2023年7月 3記事掲載)
テレビ・ラジオ出演
- NHK「ほっと関西」(2021年11月出演)
- KBS京都「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」(2021年9月出演)
- ABEMA『秘密のママ園』様 2026/4 #12ママのモラハラ化問題!出演
- ABEMAPrime(アベプラ)様 2026/7/13出演
- ABEMAPrime(アベプラ)様 YouTube版はこちら
まとめ
今回は、特定商取引法に基づく表記の書き方について説明しました。
ネットで申込みを受けるなら、個人事業主でも、表記が必要です。
事業者名、料金、支払方法、提供時期、返品とキャンセルの条件を、順番に書いていきます。
一方で、住所と電話番号は、条件を満たせば省略できます。
ただし、請求があれば、遅れずに出せる準備が必要です。
また、カウンセリングは、特定継続的役務提供の対象外ですが、契約の説明は、丁寧に行ってください。
もし、特定商取引法に基づく表記について不安なことがあれば、些細なことでも構いませんので、お気軽にご連絡くださいね。
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