カウンセラー・占い師が知っておくべき著作権とAI活用の注意点

今回は、カウンセラーや占い師としてひとり起業する方に向けて、著作権とAI利用の注意点について説明していきます。

結論から言うと、AIは文章や画像作りを助けてくれる便利な道具ですが、使い方を誤ると、知らないうちに著作権侵害やクライアント情報の漏洩につながります。

これは、開業前だけの話ではありません。

すでに開業している人の中にも、日常的にこれをやってしまっている人は少なくありません。

「知らなかった」では済まされないからこそ、自営業者にとって、ネットリテラシーは特に重要です。

開業前後を問わず、一度、注意点を押さえておくことをおすすめします。

もくじ

  1. AIと生成AIの違い
  2. 個人情報の定義
  3. 個人事業主としての責任
  4. AIの安全な使い方
  5. AIを使う上でのリスク管理
  6. 著作権とは
  7. フリー素材のBGMでも、安心できない
  8. 著作権・AI利用のチェックリスト
  9. まとめ

AIと生成AIの違い

AIは、人間の知的な作業をコンピューターが補助・代替する技術全般を指します。

その中でも、文章や画像、音声、動画などを新しく作り出すタイプのAIを、生成AIと呼びます。

ChatGPTやClaude、画像生成AIなどが、これにあたります。

生成AIが向いていること

  • 文章の下書きや構成案作り
  • 要約や言い換え
  • アイデア出しのたたき台作り

生成AIが苦手なこと

  • 最新の正確な情報の把握
  • カウンセリングや占いのような、個別事情に基づく専門的な判断

生成AIの返答は、「正しい答え」を導き出しているわけではありません。

これまでの膨大なデータの中から、統計的に確率の高い答えを組み立てているだけです。

だからこそ、AIの出力は鵜呑みにせず、最後は必ず自分で見直してください。

個人情報の定義

個人情報とは、氏名や生年月日、住所など、特定の個人を識別できる情報のことです。

それ単体では個人を特定できなくても、他の情報と組み合わせることで特定できてしまう情報も含まれます。

具体的には、以下のようなものが該当します。

個人情報の事例

  • 顔写真
  • メールアドレス
  • 生年月日
  • 最寄り駅
  • 部屋の中が写った写真
  • 車のナンバープレート

一つひとつは何気ない情報ですが組み合わさることで、住んでいる場所や勤務先が特定されてしまうことがあります。

例えば、部屋の窓から見える景色が写った写真と、最寄り駅の情報を組み合わせただけで、住んでいるエリアがかなり絞り込まれてしまいます。

クライアントの氏名、年齢、住所、具体的な相談内容も、当然これにあたります。

個人事業主としての責任

会社員であれば、著作権のトラブルやクライアント情報の扱いに問題が起きても、会社の法務部門や上司が窓口になり、責任は組織として分散されます。

しかし、個人事業主は違います。

発信するすべての内容の責任を、自分ひとりで負うことになります。

「知らなかった」「AIが作ったものだから」は、言い訳として通用しません。

これは、脅すために言っているのではなく、ひとりで事業をする以上、避けて通れない現実です。

だからこそ、最低限のルールは、開業前に知っておく必要があります。

AIの安全な使い方

クライアントの氏名、年齢、住所、具体的な相談内容など、個人が特定できる情報を、AIにそのまま入力してはいけません。

「このクライアントへの対応方法を考えて」と、相談内容をそのまま貼り付けるのも同様です。

例えば、「〇〇県在住の40代女性、夫からのモラハラで悩んでいて、今週金曜に面談予定です」のような書き方は、氏名を出していなくても、複数の情報の組み合わせで個人が特定できてしまう可能性があります。

パスワードやアカウント情報など、機密性の高い情報も、絶対にAIに入力してはいけません。

どうしてもAIに相談したい場合は「40代女性、人間関係の悩み」程度まで抽象化してから入力してください。

AIを使う上でのリスク管理

AIに入力したデータは、AIの学習やサーバーに残る可能性があります。

特に無料版や個人向けプランでは、そのリスクが高くなります。

実際に、大手企業の社員が、機密情報をAIに入力してしまい、情報漏洩につながった事例も報告されています。

カウンセラーや占い師は、他の職業以上に守秘義務が重い仕事です。

もし個人情報が漏洩すれば、クライアントからの信用を失うだけでなく、損害賠償や、守秘義務違反としての職業倫理上の問題に発展する可能性もあります。

もう一つ、見落としやすいリスクがあります。

AIに文章作成を全部任せてしまうと、自分の言葉で文章が書けなくなったり、自分の頭で考えられなくなったりします。

記事も提案文もAIに任せきりにしていると、いざクライアントの前で専門性を自分の言葉で説明しようとしたときに、言葉が出てこなくなることがあります。

AIは、あくまで下書きを作るための道具です。

最終的な文章の確認と判断は、必ず自分で行ってください。

著作権とは

著作権とは、文章や音楽、写真などの創作物を、無断で使われないように守る権利のことです。

特別な申請や届け出をしなくても、作った瞬間に自動で発生します。

これは、ブログ記事の文章だけでなく、写真やイラスト、SNSのアイコン、ブログのサムネイル画像にも、当たり前に発生します。

自分で撮った写真や、自分で作ったサムネイルにも、その瞬間から著作権が生まれています。

逆に言えば、SNSのアイコンやブログのサムネイルに、他人のイラストや、既存のキャラクターに似た画像を安易に使うと、それだけで著作権侵害になり得ます。

AIで生成した画像も、有名キャラクターや既存のイラストに似てしまうことがあり、同じリスクを抱えています。

文章についても同様です。

日本では、AIが単独で生成したものには、原則として著作権が発生しないとされています。

一方で、AIが作った文章に自分の経験や考えを加えて仕上げれば、その部分には著作権が認められる余地があります。

さらに厄介なのは、AIの生成物が既存の誰かの文章や画像と似てしまった場合です。

似ていて、かつそれに依拠していると判断されれば、著作権侵害になる可能性があります。

実際に、AIに記事を丸ごと書かせて、ほとんど見直さずに公開した結果、既存の記事と似てしまい、削除を求められるケースもあります。

他のホームページの文章を「参考」として、ほぼそのままコピーするのも、明確な著作権侵害です。

出典さえ書けば引用として認められる、というわけでもありません。

適法な引用として認められるには、いくつかの条件があります。

  • 引用は、自分の文章を補う程度にとどまっているか
  • どこから引用したのか、出典元を必ず明記すること
  • 批評や説明など、正当な目的の範囲内にとどめる

これらを満たさないまま長文を貼り付けると、出典を書いていても侵害にあたる可能性があります。

「参考にしただけ」のつもりが、実質的な転載とみなされ、権利者から指摘を受けるケースも少なくありません。

フリー素材のBGMでも、安心できない

これは、私たちリジェネも実際に経験したことです。

ラジオ用の音声動画を撮り、フリー素材のBGMを入れて、SpotifyとYouTubeの両方にアップロードしました。

すると、Spotifyから著作権違反の通知が届いたのです。

驚いて配信元の利用規約を確認すると「YouTubeのみOK」と書かれていました。

「商用利用OK」「フリー素材」と書かれていても、それがすべてのプラットフォームで使えるとは限りません。

YouTubeでは問題なくても、Spotifyなど他の配信先では著作権違反として検知されることがあります。

BGMを使う際は、投稿する媒体ごとに利用規約を確認し、使った音源のライセンス情報は残しておくことをおすすめします。

著作権・AI利用のチェックリスト

AIで文章・画像を作るとき

  • AIが書いた文章を、そのまま公開していないか
  • AIが書いた内容を自分の視点を交えて見直したか
  • AIが作った画像が、既存のイラストや有名キャラクターに似すぎていないか

引用・転載をするとき

  • 引用は、自分の文章を補う程度にとどまっているか
  • 出典元を明示しているか
  • 他人の記事を、ほぼコピーしていないか

動画・音声・BGMを使うとき

  • 使う媒体ごとに利用規約を確認したか
  • 「フリー素材」でも、全プラットフォームがOKとは限らないと理解しているか
  • 使用した音源のライセンス情報を保存しているか

クライアントの情報を扱うとき

  • 氏名・年齢・住所・写真など、個人が特定できる情報をAIに入れていないか
  • 相談内容を、具体的なままAIに貼っていないか
  • パスワードやアカウント情報をAIに入れていないか

この記事を書いた人

経験と専門性

  • 夫婦でモラハラの問題を克服した専門家
  • ASD・ADHDの混合型診断済み
  • モラハラ加害者としての更生を実現
  • 週刊文春オンラインで連載で加害者心理と更生過程を完全公開

臨床経験(2010年〜)

カウンセラーとして幅広い支援経験

  • 公的機関での生活保護・生活困窮者自立支援
  • 福祉施設での精神疾患・発達障害者支援
  • うつ病の方の復職支援
  • 元受刑者・薬物依存者への更生支援
  • ひとり親・DV被害者相談
  • 企業内パワハラ相談
  • 自助グループ・セミナー開催

メディア掲載実績

新聞・雑誌掲載

  • 週刊文春オンライン(2024年11月 3記事連載)
  • 産経新聞(2021年9月)
  • 神戸新聞 まいどなニュース(2021年3月)
  • 中日新聞 ねぇねぇちょっと特別編(2021年12月)
  • ウレぴあ総研 ハピママ(2023年7月 3記事掲載)

テレビ・ラジオ出演

まとめ

今回は、著作権とAI利用の注意点について説明しました。

AIは便利な道具ですが、著作権やクライアント情報の扱いを誤ると、信用そのものを失いかねません。

特にクライアント情報は、どんな場合でも特定できる形でAIに入力しないことを徹底してください。

迷ったときは、使わない、確認する、を基本にしてもらえたらと思います。

もし、発信の仕方やAIの使い方について不安なことがあれば、些細なことでも構いませんので、お気軽にご連絡くださいね。

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